犬と私 39 2つの行動の理由
テレビでちらりと見た親子関係についての話なのですが、
子どもの為を思って、熱心な教育をしているお母さんと
そのお母さんが不機嫌になることが、とても怖かったという娘さん。
娘はいつしか、母親の顔色を見て、ご機嫌取りをして過ごすようになったとか。
この娘さんの気持ちがよく分かるなと思って見ていました。
幸いなことにうちの母は、そのようなことはなかったのですが、過去に付き合いのあった人で似た体験をしたことがあります。
テレビの娘さんは、母親の不機嫌に晒されると、萎縮して、不機嫌を避けるためにできることをしようと頑張ります。
それが勉強だったり、生活態度だったり。
外野から見ると、とてもよく勉強する子だったり、礼儀正しかったりしますが、動機が不機嫌を避ける為であるので、本人は幸せではありません。
同じ「よくできる」でも、褒められる喜びや本人の達成感、単純にそれが好きだから…といったポジティブな動機でしているのとは違います。
犬のしつけ、トレーニングの世界でも、同じことが起こっていないでしょうか?
「大人しくて賢いと言われる犬」が、大人しい理由、言うことを聞く理由が
「嫌なものを避けるため」
なのか
「喜びを得るためなのか」
見た目の行動が同じでも、動機の部分では正反対です。
さらに、カーミングシグナル、犬のボディランゲージを知った上で犬を見ると
上記の「大人しくて賢い犬」の行動も、実はそれぞれに違っていて、ハッピーなのか、萎縮しているのか、一目瞭然です。
昔は私も全く考えが至らず、嫌なものを避けるため=叱られないために行動するようにトレーニングをしていました。
もちろん、叱る以上に褒めてもいましたが、これはテレビの娘さんが感じたように、
「いつ不機嫌になるか分からない不安な気持ち」を犬にも引き起こしていたと思います。
その影響は本人(本犬)の性格にもよりますが、時にとても追い詰めてしまいます。
叱らなくてもしつけも、トレーニングもできることがもっと周知されて、ハッピーに行動する犬が増えることを願っています。
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犬にやさしいしつけが広まりますように。
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