思いも寄らない学習〜犬と私176〜
以前の記事で
動物病院でかける「大丈夫よ」の言葉が
場合によっては
「恐怖や不安、警戒を引き起こす合言葉」に
なってしまうことがあるとお話ししました。
今日は人が思いも寄らないことを学習したり
関連付けてしまう例をご紹介したいと思います。
犬は人のようには、言葉の意味を理解していません
犬の経験・学習から、言葉の意味を自分なりに理解しています
動物病院で繰り返し言われた「大丈夫」の
言葉の後に、注射の痛みや不安を感じたことを
経験として学習していけば
大丈夫=大丈夫ではない(痛い、怖い、不安)
となり、大丈夫と言われることが
きっかけとなって、酷く震えたり
パニックになることもあります。
もちろん、大丈夫という言葉だけでなく
動物病院そのものだったり
獣医さんや看護士さん
診察台、クルマ、移動に使ったクレート…と
関連するもの全てが嫌なものとして
学習されることもよくあります。
良い学習をしてもらうには?
お散歩で会う他の犬が苦手で
吠えてしまうワンちゃん。
吠えないようにする為に
オヤツをあげて気をそらす方法は
よく使われていますね。
しかし、何度もお散歩で他の犬が見える度に
オヤツを出していると、飼い主さんが
オヤツを用意し始めた時点で
近くに他の犬がいる!
という合図だと受け取って警戒を
し始めるワンちゃんもいます。
同様に、他の犬が見えたら無意識に
リードを持つ手に力が入ってしまう場合。
これもリードの張りが合図となって
警戒をし始めたりします。
マテ!と言ったら吠え始める。
おいで!と言ったら逃げていく…
こんな風に、
人が望む行動とは反対のことを
学習してしまっていることが
よくありますよね。
このようなことが起こらないようにするには、
以下の2つがポイントになります。
①犬は人の言葉を、人が思うような意味で
理解する訳ではない(学習の結果で良い意味に
も悪い意味にもなる)
②犬が学習をする時は、周りにあるもの
関連したことも含めた上で学習をしている
(例:お留守番中にハウスにいる時に
雷が鳴ってびっくりしてからは、
雷そのものだけでなく
お留守番、ハウス、雨
雨が降りそうなお天気、気圧の変化など
関連するもの全てが苦手となる)
だからこそ、叱らないしつけを
何かに吠えたり、嫌がったりしている時に
コラ!とついつい叱りがちですが
これまでのお話を踏まえて考えると
叱るのは悪影響だと分かると思います。
何かに警戒して吠えているところに
飼い主さんの叱りが加われば
なおさら嫌な印象になり警戒心が増えます。
お手入れなど嫌がっているところに
コラ!じっとしないさい!とやっちゃうと
余計に嫌になる訳ですよね。
どうせなら
楽しい、嬉しい、美味しい♪
といった
良い関連付け、良い学習を
増やしてあげたいと思います。
皆さんも
えー、こんな風に学習しちゃったの⁈という
思わぬ学習の事例がありましたら
ぜひ教えてくださいね。