犬と私 84 育てるとは
週末に幼稚園の発表会が終わり、親子で一息ついた今日でした。
子どもの行事ごとでは、いつも成長ぶりに驚いたり、小さな頃の様子と比べて感慨深くなったりと、精神面でも大忙しです。
親としてしてあげられる事は少ないのに、親が与える影響は子どもにとっては大きいでしょうから、どんな影響を与えているのか、時には客観的に自分を省みることは大切だなと思います。
偶然見かけたテレビ番組、プロフェッショナル 仕事の流儀で杜氏の高橋藤一さんが言われた言葉が、まさにどんぴしゃでした。
「造るのではなく、育てる」
秋田県で酒造りをされている高橋さん。
麹は生きていることを指してのお言葉だと、受け取りました。
振り返ると、昔は犬を型にはめるようにトレーニングをしていたと思います。
それはある意味、人が考える大人しくて、従順な理想的な犬を造っていたとも言えます。
でも今の犬に対しての気持ちは、人の思いにだけ寄せるのではなく、犬を知りたい、目の前のこの子を知りたいという気持ちです。
育つのを助ける、待つ、邪魔をしない。
気をつけていても、邪魔をしてしまうことがありますが、そこは反省して次に活かせるように。
その子がその子らしく育っていけるように。
人と暮らす中で必要なことも、最初からこうだからと押し付けずに、我が家はこうしていこうと互いに折り合いをつけていく。
その繰り返しの先に、お互いの暮らしやすさ、居心地の良さが出てくるのだと思います。
レッスンでは、飼い主さんの犬育てをお手伝いさせて頂きます。
犬たちの成長を目の当たりにして、飼い主さんと喜びや感動を分かち合えるのは、トレーナーの仕事の醍醐味です。