なぜ犬は特別なのか?〜犬と私182〜
どんな分野でも、
研究や実体験を重ねることにより
新しい発見、より良い方法の開発が
行われています。
もちろん犬の世界でも研究は進み
以前とは違う説が出てきたり
より良い方法の提案がなされたりしています。
生まれつきか経験か?
指差し実験
【犬はどの動物とも違う特別な存在である】
犬は人が指差したものに、何らかの意図がある
ということを理解できる、唯一の動物である
という研究は有名ですね。
指差し実験とは
床に置いた2つの容器の片方に食べ物を隠し、
人が食べ物が隠れている方の容器を指差すと
犬は間違わずに、指差した方に行く…
というものです。
普通の暮らしの中でも、犬に指差しをして
あっちにおもちゃが転がったよ
あそこにオヤツが落ちてるよ
といった意図を伝えることがありますね。
そして、それを理解したかのように
指差した方向を見たり
探したりしてくれるのが
皆さんの愛犬だと思います。
犬は生まれつきこの人の意図を汲もうとする
能力を持っていて、それゆえに長い間、
こんなにも近くで共に生きているのだ…
そう言われてきたのですが、
「イヌは愛である〜最良の友の科学〜」の
著者クライブ・ウィン博士はこの研究に
疑問を持ちました。
そして、犬だけでなく狼や様々な動物による
指差し実験の結果、この能力は犬にだけ特別に
与えられているものではなく、
経験により学習して身につけていることが
明らかになりました。
生後間もない頃から人に育てられた狼は
指差しの意図を理解できますし
反対に、小さな頃から人と暮らしたことのない
野犬は、指差しを理解できなかったそうです。
つまり、
【人間のジェスチャーを理解するイヌの能力が
生まれつきのものではなく、学習で身につけ
られるものであることがわかった。】
というのが、著者の見解です。
【 】内、イヌは愛である、より引用。
人との触れ合い、様々な経験が大切
先程のお話で、
生まれてから人と接することなく育っていた
野犬は、人のジェスチャーを理解できないと
お話しました。
しかしこれには続きがあって、もしその後に
人と接する機会を十分に設ければ
指差しを理解できるようになる=人の意図を
汲もうとする能力が、
発揮できるようになるそうです。
このことから分かる単純明快なことは、
愛犬とたくさん触れ合い、時を共有することで
お互いのコミュニケーションはどんどん深まり
いわゆる【絆】を結ぶことができる
ということではないでしょうか?
そして、学習によってどんな動物であっても
人の意図を汲もうとすることができるとは言え
やはり犬は他の動物とは違う。
もっと繋がりを感じられる…というのは
犬と暮らしたことがある方には同意して
頂けるかと思います。
では、犬と他の動物。
何が違うことにより、人との付き合い方が
違ってくるのか?
指差し実験のあとに、
その問題に取り組んだクライブ博士のお話は
ぜひ本を読んでみて頂ければと思います。
私もまだ読書の途中ですが、久しぶりに
ワクワクした気持ちで読める犬の本でした。
オススメです!