犬と私 71 出会いと別れの日
1月31日は愛妻の日だそうですが、私にとっては初めての犬、リングと暮らし始めた日であり、リングが亡くなった日でもあります。
リングはとても大人しく、生涯で吠え声を聞いたのは5回もありません。
勢いあまって吠えてもワン!の一声だけ。
しつけに悩んだこともトイレだけで、まだ子どもの私でも育てやすい気質の子でした。
リングとは様々な場所でお散歩しました。車に乗ってお出かけもよくしましたし、船に乗って祖母の家に行ったことも。
お散歩デビューをしてから、本当によく出かけ歩きましたので、知らず知らずのうちに良い社会化になっていたと思います。
私がトレーナーになるために引っ越しをした時も、一緒にきてもらいました。
生涯で4回住む家が変わりましたが、どの家でも最初にここがトイレだよと教えると、その日から失敗なくトイレを使ってくれて助かりました。
最初にトイレトレーニングであれだけ悩んだのが嘘のようでした。
晩年はトイレには行くのですが、中で回転している間によたよたとよろめき、足がもつれ出し…なぜか脅迫的にぐるぐるトイレで回転しないと、排泄できないようになってしまいました。
当時はなかなか良い位置が決まらず回転しているように見えました。もう老犬なので回転している間に息も絶え絶えになり…
お散歩ではしつこい回転はしなかったので、何がトイレでそうさせたのかは謎です。
あまりにもトイレが身体に負担のかかるイベントになってしまったので、家にいる時はオムツをつけることにしました。
オムツをつけた状態で、いつもの回転をしながらトイレで排泄すること数回。
すぐにオムツに馴染み、その後はトイレに行くこともなく、自由な場所でオムツの中に排泄するようになりました。
今でしたら、シニアに向けてのあれこれを想定して、元気なうちに取り組みますが、当時はぶっつけ本番ばかりで優しくない取り組みでしたが、リングの適応力に助けられて、困ることなく過ごせました。
目が出ているシーズー特有の、目の怪我も多かったです。目を守るため、瞼を一時的に縫う手術も2回経験しました。
普通はぶつかる前に咄嗟に目を閉じると思いますが、リングはぶつかってから閉じているのを見て、これでは怪我の回避も難しいなと思ったものです。
そんな訳で目薬をさすことも多く、点眼薬を処方されると1日5〜6回ささないといけません。
ハズバンダリートレーニングの言葉さえ知らない当時ですから、両足で顔を挟んで有無を言わさずさしていました。
そんな風にいろいろやらかしてきたのに、振り返るとどの子も本当に寛容で、そこに甘えて接してしまっていたなと反省します。
相手が違っていたら、噛まれても当然の接し方もありました。
力で押さえこんでできるからと思わず、いかに丁寧に優しく親切に接することができるか。
それを考えて実行していこうと思うと、人側の勉強が欠かせません。
一緒に暮らしていると全てを完璧にはできません。気をつけていても、しまった!があります。
そんな時にごめんね、で拗れることなく終わる関係になるには、普段の「やらかし」をいかに減らしているか、また「あたたかい接し方の積み重ね」をどれだけ蓄えているか。
この2つ、両方がとても大切であると、我が子との関係も振り返りながら思うこの頃です。