飼い主さんは知っておきたい学習のしくみ

こんにちは!

オペラント条件づけ

パブロフの犬

強化、弱化

このような言葉を聞いたことはありますか?

専門用語でよく分からないからスルーではもったいない!

わんこさんに限らず、猫さん、鳥さん、もちろん私たち人間にも共通する、学習のしくみ。

知っておくとしつけが上手くいくだけでなく、子育てや自分に良い習慣を定着させたり、止めたい習慣をやめる時にも役立ちます。

オペラント条件づけ

オペラント条件づけには大きく分けて行動が増えるか減るかの2つがあります。

行動の結果が本人にとって、良いものであれば、その行動は増えます

行動の結果が本人にとって、悪いものであれば、その行動は減ります

単純に損か得かですね。

そして、行動が増えるパターン、行動が減るパターンにはそれぞれ2種類あります。

行動が増えるパターンの1つ目は正の強化です。

正は、行動の前になかったものが行動の後に現れることです。

強化は、行動が維持する、増えることです。

つまり正の強化は、行動の前になかったものが行動の後に現れて、それが本人にとって良いものであるのでその行動は増えるということです。

正の強化はまさしく”ほめるしつけ”ですね。
行動の前(ほめ言葉なし) → 行動(オスワリをする) → 行動の結果(ほめ言葉あり)

→うれしい!と得な状況になりましたので、オスワリすることが増えます

ここで大切なのは、本人がどう受け取るか?です。

ほめているつもりでも、わんこさんが喜んでいなければ行動は増えません。

もし怖がりのわんこさんで、ほめる言葉をかけられることさえも恐怖であれば、行動は増えるどころか減るかもしれません。

教え手は何がご褒美となるのかを、考えないといけませんね。

同じご褒美でも、それを出す人が違えばご褒美にならないこともあります。

私たちも大嫌いな人に良いことを言われてもよくは受け取れないどころか、反発することがありませんか?

ですから、わんこさんにとっての飼い主さんは大好きな存在、安心できる、信頼できる存在であることが何より大切ですね。

飼い主さんがいるだけでうれしい

私たち飼い主は、わんこさんにとって、そういう存在になることを目指すのも素敵ですね。

行動が増えるパターンの2つ目は負の強化です。

負は、行動の前にあったものが行動の後に無くなることです。

強化は、行動が維持する、増加することです。

つまり負の強化は、行動の前にあったものが行動の後に無くなりそれが本人にとって良いことであるのでその行動は増えるということです。

負の強化は、分かりにくいかもしれませんがいろいろな場面で起こっています。
例えば、お手入れが苦手なわんこさん。

あまりにも嫌がるので、もういいわ~と止めてしまう事はありませんか?
行動の前(ブラッシングされている) → 行動 (ブラシや手を咬む、暴れる、逃げる) → 行動の結果(ブラッシングされなくなる)

→嫌なブラッシングが終わった!と得な状況になりましたので、嫌がる行動は増えます
“咬めば止めてくれる”とわんこさんが学習すると口が出やすくなりがちですね。

咬むまでに、嫌だな〜というボディランゲージは出ていると思いますので、そこまで追い詰めないこと。
無理やりせずに※ハズバンダリートレーニングをすること。

※ハズバンダリートレーニングとは、お手入れや診察などを無理やりではなく、自ら協力的に受けてもらえるようにするトレーニングです。

もし気をつけていても、嫌がり始めてしまったらそこで終わりにしないようにしましょうね。

(終わりにすると上記の負の強化になります)

あとちょっとだけで構いませんので、最後にここだけブラシしよう~とちゃちゃっとブラッシングして、たくさん褒めて終わるのが良いと思います。

何事も終わり良く♪

がしつけが上手くいくポイントです。

行動が減るパターンの1つ目は正の弱化です。

正は、行動の前になかったものが行動の後に現れることです。

弱化は、行動が減少することです。

つまり正の弱化は、行動の前になかったものが
行動の後に現れてそれが本人にとって悪いものであるのでその行動は減るということです。

正の弱化はまさしく “罰を使うこと” ですね。
行動の前(大きな音なし) → 行動  (吠える) → 行動の結果(大きな音あり)

→ビックリ!怖い!と損な状況になりましたので、吠えることが減ります
ここでも大切なのは、本人がどう受け取るか?です。

叱っている、罰しているつもりでも、行動が減っていなければ、本人にとってその罰は悪いものでないか、罰を受けてでも得られるものの方が大きいということです。

例えば、飛びつきをやめさせたい時。

行動の前(叱り言葉なし) → 行動  (飛びつく) → 行動の結果(叱り言葉あり)

→ダメ!と叱られることがわんこさんにとって悪いものであれば、飛びつきは減るはずです。

(減っていればこれは正の弱化ですね)

減っていない…というのであれば、わんこさん目線ではこうなっているかもしれません。
行動の前(叱り言葉なし=飼い主さんの注目なし) → 行動  (飛びつく) → 行動の結果(叱り言葉あり=飼い主さんの注目あり)

→声をかけてもらえる、見てもらえる
飼い主さんの注目は多くのわんこさんにとって、うれしい、良いものでありますので、行動は増えます。(増えているので正の強化になりますね)

このように、叱ってもなおらない〜という場合、叱っているつもりが、その行動をほめて伸ばしていたことと同じだったというパターンはよくあることです。

だからと言って、叱りや罰がもっと効果があるようにしようとしたら、どんどん罰がエスカレートしてしまい、愛犬との関係も悪くなってしまいます。
嫌なこと、悪いものを、行動の後に出してきてやめさせようとする(正の弱化)を使うことはおすすめしていません。

ほめて “して欲しい行動” を伸ばす

正の強化をしつけのメインにすることで、

  • わんこさんも何をすれば良いのか分かる
  • ほめられてうれしい
  • たくさんほめてくれる飼い主さんとの関係もより良好になる

となっていきます。

それでも上手くいかない時には、正の弱化ではない方法で行動を減らすこともできますので、この後にお話していきますね。

しつけが上手くいくポイントは

  • わんこさんがどう受け取っているか?を気にかけること
  • 行動が実際に増えているのか、変わらないのか、減っているのかという変化を観察すること

です。

この2つが見えてくれば、このまま今の方法で上手くいくのか、変えた方が良いのかも分かりますね。

もちろん、思惑通りにやめさせたい行動が減っていたとしても、そのしつけ方が罰を使うものであれば、方法を見直した方が良いのは言うまでもありません。

楽しく、うれしく、仲良くなれるような方法。

愛犬の心身を痛めつけない人道的な方法を、選択していきましょう。

行動が減るパターンの2つ目は負の弱化です。

負は、行動の前にあったものが行動の後に無くなることです。

弱化は、行動が減少することです。

つまり負の弱化は、行動の前にあったものが行動の後に無くなりそれが本人にとって悪い事であるのでその行動は減るということです。

負の弱化は、叱らずに行動を減らしたい時にも使うことができます。

行動の前(飼い主さんと遊んでいる) → 行動  (手を噛む) → 行動の結果(遊びが終わり、飼い主さんが離れていく)

→楽しい遊びや飼い主さんがいなくなって損ですから、手を噛むことは減ります

しかし負の弱化に頼りすぎて、困る行動を減らそうとばかりするのはオススメしません。

まとめ

“困る行動を減らす”ことに目を向けるより

“して欲しい行動を伸ばす”ことに

目を向ける方がお互いに楽しく過ごせます。

そして、わんこさんが何をすれば良いのか分かりやすいというのも大切ですね。

私たちもある行動に対して、

  • それはダメと注意される
  • それをしたから好きなものを取り上げられる

という対応だけをされると、何をすれば良いのか分からずストレスが溜まりそうです。

  • 何をすれば良かったのか教えてくれる
  • その行動をしている時に褒めてくれる

のであれば自信をもってイキイキと動けそうですね。

先ほどの例ですと、手を噛めば遊びは一旦中止で、おもちゃを噛んでいれば続けて遊んでもらえる。

手を噛むことではなく、おもちゃを噛むことがして欲しいことだと、わんこさんにも分かりやすい対応になります。

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