飼い主さんは知っておきたい学習のしくみ2

こんにちは!

先日の記事の学習のしくみでは、行動の結果が本人にとって損か得かで、その後の行動が増えたり減ったりするというお話でした。

今回はもう一つの大切な学習のしくみ、古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)についてです。

古典的条件付け

古典的条件づけで有名なのはパブロフの犬の実験ですね。

犬の前にご飯を運んでくると、よだれを出すという自然な反応があります。

ご飯がくる→唾液の分泌

ご飯を持って行く前にベルの音を聞かせることにします。

ベルの音→ご飯がくる→唾液の分泌

この、ベル→ご飯→唾液 という一連の流れを繰り返すと、ご飯がくる前から唾液を分泌するようになります。

ベル→唾液の分泌

このように、最初は何の意味も持たなかったベルの音が、ご飯と一緒に何度も提示されることで、ベル=ご飯という結びつきが起こります。

まとめますと、何かと何かが同時に提示されることで、2つが意味のあるものとして結びつきます。

どれとどれが結びつくのか?
どういう意味を持って結びつくのか?
というのは、受取手の中で勝手に学習されることです。

ポジティブなイメージの学習だと良いのですがネガティブなイメージの学習も起こるわけですから、それには少し注意が必要です。

例えば…
獣医さんの白衣から、白い服を着た人を怖がる

はじめは獣医さんや白衣に怖がらなくても、白衣を着た人がいる時に痛かったということがあると、(白衣)と(痛み)が結びつき、獣医さんでなくても、白い服を着た人を見ると痛みが連想されて怖がる、身を守るために怒るということがあります。

他にも
犬を見て吠えたら叱られたので、犬を怖がる

犬を見て吠えたら叱られて痛かったということがあると、(犬)と(痛み)が結びつき、犬を見ると痛みが連想されて怖がる、身を守るために怒るということがあります。

吠えることを止めさせたかっただけなのに、叱ることで犬嫌いにしてしまう可能性もあるということです。

吠えることは止めていきたいですが、その方法は痛みや脅しにならないように気をつけたいですね。

古典的条件づけを活かした取り組み

動物病院やトリミングサロンには、特別美味しいオヤツを持って行って、大盤振る舞いすることをおすすめしています。

動物病院やトリミングサロン=すごく美味しいものをもらえる場所という風に条件づけをして、少しでもポジティブなイメージを持ってもらえるといいですね。

(もちろん、受診やお手入れに慣れるトレーニングも別途必要です)

古典的条件づけで様々なもの、事柄に良いイメージを持ってもらうことは、まさに社会化です。

痛い、怖い、不安ではなく
うれしい、楽しい、美味しい、安心
たくさん条件づけしてあげられると、愛犬の世界は幸せに溢れるはずですね。

みなさんもポジティブな気持ちになれる条件づけをたくさんしていきませんか?

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