自分の不安な気持ちや、相手に落ち着いて欲しいことを伝えるために使うカーミングシグナル。
これらは犬が持って生まれた言葉です。
顔をそむける、鼻を舐める、あくびをする、ゆっくり動く、地面のにおいを嗅ぐなど、様々なシグナルでコミュニケ―ションを取っています。
しかしこれらを出さない、出せなくなるケースもあります。
1つは、置かれている状況が非常に緊張やストレスが高くて、カーミングシグナルを出すことさえ難しいとき。
病院で怖すぎて、もう固まるしかない!ただ終わるのをひたすら耐える・・・みたいな時です。
もう1つは、過去にカーミングシグナルを出しているのに、怒られた・攻撃されたというような悪い印象がある場合です。
出していたカーミングシグナルを相手(人や他犬)が汲んであげられずに、それ以上にプレッシャーを与えてしまうと効果のなかったカーミングシグナルは出さなくなります。
また、カーミングシグナルを出したことで怒られた・攻撃されたと受け取るワンちゃんもいます。
そうなると身を守るために、唸ったり咬んだりすることが早い段階で出やすくなります。
本来なら、ちょっとやめてほしいかも、居心地が悪いです・・・といったカーミングシグナルが出てから、それでもその状況から逃れられないときに、唸る、咬むといった流れになります(固まる、逃げるの選択肢もあり)
しかし過去の経験からカーミングシグナルを出さないようになっているので、急に唸ったり咬んだりするように思えるのです。
攻撃までのスピードが速くなるので危険ですし、コミュニケーションを取るにも大きな問題となります。
カーミングシグナルに気づいたら、それを無視せずにすぐに応えてあげましょう。
ワンちゃんの気持ちを尊重することで、信頼関係も深まりますね。