気にかけてあげたい距離と拘束感〜犬と私395〜
お散歩でリードに繋がれている同士だと、吠え合うのに、繋がれていない状態で会うと仲良くできる。
抱っこをされていると、目の前に出てきた手に咬みつこうとするのに、床にいる時には咬みつかない。
道ですれ違う自転車に飛びかかろうとするけど、反対車線に通る自転車には見向きもしない。
このように、吠える、咬む、飛びつくといったお悩みが、特定の環境にだけ出ていることがよくあります。
これらの行動が警戒、不安、緊張、威嚇といったネガティブな感情から起こっている場合は、相手と距離を取る=追い払うための行動です。
そのため、対象と距離が近い時はより、追い払うための行動が出やすくなります。
また、抱っこをされている、リードが短い、リードが張っている、繋がれている、クレートやサークルに入っているなどといった、行動の制限、拘束感がある場合は、犬にとっては逃げられない、追い詰められやすい状況です。
そのため、過剰に反応することも多いです。
お散歩のときに、リードを放すわけにはいきませんが、リードが張らないように気をつけて、なるべく拘束感を感じないように動けるお手伝いはできるかと思います。
抱っこで相手に近づけるのではなく、近づくのも逃げるのも、どちらも自由に選択できる余地を作ってあげられることが、犬の心の余裕にもつながります。
繋がれて逃げられない状況で、自分の苦手なもの(ゴキブリ、蛇、ムカデ、おばけ?想像してくださいね)が近づいてきたら、騒ぎ立てる気持ちもよく分かりますよね。
逃げられないとなったら、やるしかない…戦うことを選択するのも当たり前です。
距離や拘束感に気をつけてあげられると、ゆったりと少し落ち着いた気持ちで、対象を観察したり、においを嗅いだりする余裕も出てきます。
その経験の積み重ねで、大丈夫なことが分かり、感情にも行動にも変化が見えてきます。
自由に距離を取れる環境をつくってあげられると、慣れるのも早いと実感しています。