やさしいって何だろう?〜犬と私399〜
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
2022年はスクール開業15周年の節目の年でもあります。(15年目に入るのは、2022年2月9日です)
節目の年にふさわしく、より犬にやさしく、飼い主さんと犬の暮らしが楽しいものになるように、スクールも改革していきたいと思います。
さて、新年最初の記事は「やさしい」について考えます。
犬に優しい、やさしいしつけやトレーニングと聞くと、どのようなイメージがあるでしょうか?
叱らない?褒めて育てる?甘やかす?叱ってもあとで褒めたら、優しいトレーニング?
細かく見ていくと、人によってイメージするものが違っています。
「やさしい」というのは、受け手側がそう感じてはじめて言われることであって、同じことを目の前にしても、一方はやさしいと感じるが、もう一方は意地悪と感じる…なんてことも起こり得ます。
ここがとても難しいポイントで、良かれと思って自分がしたことが、相手もそのまま受け取るかどうかは分からないし、感じ方を強要することもできないということです。
相手が犬でも人でも同じで、自分以外の他者はどれだけ似たような境遇であっても、全てが同じようには感じられないものです。
たとえば、転んで痛い!というのも、痛みの感じ方は人それぞれで、全く同じ痛みではないはず…
残念ながら、自分と全く同じように考え、感じる人はいない。だからこそ、やさしさや思いやり、想像力が必要ですが、それに加えて、相手はどうなのか?を知るための観察力やコミュニケーション力も大切になってきます。
人同士でも分かり合うのは難しい時がありますから、相手が種の違う動物であるのなら、「相手のことを知る学び」が必要ですね。
犬について学ぶことで、犬の感じ方、感情の表現方法、望むことを知ることができます。
その知識をもとに、目の前にいるうちの子を見ていくことで、犬という種だけでなく、うちの子という「個」を見ることができます。
そうしてはじめて、相手が「やさしい」と感じられることを、してあげられるようになるのではないでしょうか?
それは嫌だよ。という時の犬のしぐさを知らないと、分かってあげられないですし、うちの子の場合はまた少し違う表現方法をするかもしれません。
「やさしい」はどこまでも、相手を知ろうとすることなのかもしれませんね。