叱らないは好き放題ではない〜犬と私398〜
「叱らないでくださいね」
そのようにお伝えすると、ワガママ放題好き勝手も許すと思われがちですが、そんなことはありません。
むしろ叱ってその場を済ますより、真剣に向き合わないといけないかもしれません。
子どもにもコラー!と大声で叱って言うことを聞かすことは簡単でも、なぜそれがだめなのか?という理由を伝えて分かってもらうのは難しいものです。
犬には話して教えることができませんので、犬に分かりやすい態度で伝えていくことになります。
例えば、子犬が椅子の足を噛んでいたら?
コラー!と声で叱るのではなく、ペチンとお尻を叩くのでもなく、噛んでいる椅子の足を手で覆って隠してみます。それで止めてくれるなら、お利口さんですね。
いいこねと褒めて、向こうに行こう!とその場を離れるように促します。離れてからおもちゃを渡してあげてもいいですね。
1つ気をつけたいのは、噛むのをやめてくれたから「褒める」という時に、食べ物をあげないことです。
もし食べ物をあげていたら?
家具を噛むと食べ物がもらえると覚えて、もっと噛むようになりますね。
うちの子は、手で隠したくらいでは噛むのを止めません、という場合は、やさしく身体に触れて、その場から移動させてください。
この時、特に声かけも要りません。(声かけはときに、犬をより興奮させたり問題行動を強化することにもなります)
噛んでいた椅子の足から離れてもらって、飼い主さんの手が犬から離れたら、犬はどうしますかね?
もう噛みに行かないのであれば「いいこね」で褒めます。
すぐにまた、噛みに行くなら?もう一度、優しく移動させます。止めるまでこの繰り返しです。
止めることで、飼い主さんは噛んでほしくないことを態度で伝えています。そして、止めてくれたら褒めて、自分のおもちゃで遊んでいる時に褒められたり、一緒に遊んでもらえる経験を多くできれば?
犬は自分のおもちゃでよく遊ぶようになります。
私たちは犬用のおもちゃとそうでないものを区別していますが、犬は教えてもらうまで分かりません。特に子犬や若い犬は、目の前にある全てのものに興味津々。
小さな子どもがなんでも口に入れる時期があるように、犬もにおいを嗅いだり、舐めたり、噛んだりして世界を知っていきます。
成長過程の中で出てくる当たり前の行動ですから、噛まれて困るものは片づける、触れられないように柵をするなど、管理を徹底したいです。
こうして、小さな頃から止められる経験をすることが実は大切です。思春期で荒れている時期にはじめて止めようとすると、戦いにもなりかねません。
小さな頃から真剣に向き合って、やさしく穏やかに、でも譲らないところは譲らず一貫性を持って接しているからこそ、飼い主さんが言うなら仕方ない…と止められる子に育ちます。
大変そうと思いましたか?大変かどうかは人と比べられるものではありませんが、命を育てる責任が、これらのしっかり向き合うことだと思います。そして犬についての学びの継続も…
今日は大晦日ですね。1年間ありがとうございました。もうすぐ犬と私シリーズも400記事になります。
2022年も引き続き、よろしくお願いいたします。良いお年をお迎えくださいね!