お口のケア〜犬と私778〜
昔は考えられなかった犬の歯磨きも今ではその重要性が知られ、当たり前になってきました。
しかし、歯磨きはお手入れの中でも難易度の高いものです。
元々嫌がりやすいお口周りを触らせてくれるためには、普段の関係性と、触られることに慣れていることが大切です。
3日に1回は歯磨きを
毎日、歯磨きができるといいのですが、難しい場合でも3日に1回はお願いしたいです。
これは犬の歯垢が3〜5日で歯石に変わるからです。歯石になってしまってからでは、お家のケアでは落とすことが難しく、動物病院で処置してもらう必要があります。
歯石がついて歯周病が進むと、細菌が血液に乗って心臓や腎臓にまで行くこともあり、他の病気の原因にもなります。
また、歯茎や顎の骨が溶けて、顔に穴が空くこともあります。
特に小型犬は歯磨きも難しく、歯石もつきやすく、骨も細いので、こういったトラブルが多いです。
歯磨き製品
歯磨きガムや歯磨き効果のあるおもちゃは補助で、やはり歯ブラシでのブラッシングが1番です。
しかし、まだ歯ブラシに慣れていない場合は、補助製品も使いつつ、歯磨きウェットティッシュなども使って、できる範囲のお手入れをしてあげたいです。
歯磨きガムを使う場合は、渡してしまわないことが1つポイントです。
人がガムを持ってあげて、右側、左側、奥歯の方…と噛むポイントを変えてあげることで、より効果的になります。
歯磨きジェルも美味しい味が出ています。歯ブラシも小型犬の小さなお口にも合うサイズの物が売られていますので、分からなければ獣医さんに相談してみてください。
多くの動物病院で取り扱いがあるはずです。
ハズトレで歯磨き練習
ハズバンダリートレーニング(受診動作訓練)というものがあります。
これはお手入れや診察、検査、治療など、動物に必要な身体に触れて行うことを、協力的に受け入れてもらえるようにするトレーニングです。
無理に押さえつけたり、叱ったりしませんので、歯磨きが苦手になったり、人との関係性が悪くなることもありません。
お口周りだけに拘らず、まずは全身どこでも触らせてくれるようになるところから始めてみましょう。
オヤツをあげながら触ることが平気になったら、少し触ってからオヤツ…とオヤツを後出しにします。
焦って先を進めすぎて嫌がらないように、少しずつ練習しましょう。短時間で大丈夫です。
歯磨きも一度に全部磨こうと思わず、前歯だけ、右の上の歯だけ…と部位別にさっと短時間で終わらせて3日〜5日で全部を磨けるようにするのもオススメです。
これはブラッシングに慣れてもらう段階でも有効です。今日は背中だけ、明日はお尻周り、と部位別に分けて短時間でブラッシングを終わらせます。
お口のケアは長生きの秘訣であり、シニア犬のQOLにも影響します。
美味しく元気に食べられるように、歯磨き練習を始めてみてくださいね!