社会化は大丈夫だったの経験から〜犬と私548〜
お散歩ですれ違う人や犬に吠えてしまう。
家に来る宅配の人に吠えてしまう。
どちらのケースも、吠える相手とは短時間の関わりしかありません。
お散歩では吠えている間に相手も通り過ぎて見えなくなりますし、宅配の人もすぐに帰ります。
これでは、本当のところは分からないまま、勝手な思い込みで、相手への恐怖や苦手、ネガティブな気持ちを深めてしまいます。
そして、吠えることでその嫌な状況から逃れられる(相手が立ち去る)ということが起こっていますので、ますます吠えることに効果があると思い込みます。
なかなか、実際のお散歩や配達時に練習はできませんので、似たような状況を作って、協力してもらえる人と練習したいです。
例えば、宅配の方の代わりに、お客様役の人にお家に遊びに来てもらってはいかがでしょう?
その時に、お客様役の人は犬に自分から関わろうとしてはいけません。
犬から寄ってくるまで待ちますし、また寄ってきたからといってすぐに撫でたりせず、十分ににおいを嗅いで確認する時間を取らせてあげてください。
飼い主さんはリラックスして、お客様役の人と会話し、ゆっくりお茶でも飲んで過ごしましょう。
いつもなら相手を確認できないまま、吠えで追い払って終わり!のお客さんが、ずっといて帰らない。
でも、自分のことを見たり、声をかけたりもしてこない。自分には何もしてこなくて大丈夫だった。
この大丈夫だった経験や、自分で嗅いで確認したり、飼い主さんもリラックスしている状況を見ていくことで、慣れやすくなります。
短時間の関わりでは得られなかった大丈夫だったの経験。
これがあってこそ、自信もついていきます。
お客様役の人が知らん顔でお茶をしていても、吠えがなかなか止まらない。
そのような時には、犬とお客様役の人の距離が遠くなるように、お互いに見えるけれど離れた部屋に移動してみる工夫も必要です。
パニックのように吠え続けると、犬も自分では止められなくなります。
飼い主さんが部屋の端へ犬を連れて行ってあげて、お客さん役の人と距離をとり、落ち着かせる時間をとってみる。
普段からハウスに落ち着いて入れる子であれば、ハウスに入れてあげるのも1つです。
社会化はただ見せればいい、連れて行けばいいというのとは違いますね。その経験がポジティブで終われる環境設定にいかにできるか?が大切です。