追いかけてもらう〜犬と私603〜
犬を追いかけるのと、犬が追いかけてくる。
暮らしの中でどちらが多いですか?
犬は自分から遠ざかっていくものを追いかける本能があります。
また、自分に真っ直ぐ向かってくるものには居心地が悪かったり、警戒することも多いです。
(犬同士の挨拶のマナーでも、真正面から近づかずに、弧を描くように近づくのが良いと言われています)
これらの犬が持つ習性を活かして、いろいろな事を教えたり、もっと楽しめたりできます。
例えば、おいで!で来てほしいなら、おいで!と言って後ろに下がったり、背を向けて走り出した方が、犬も追いかける楽しみがありますし、来てくれやすいです。
遊びの中で鬼ごっこ(犬が鬼役で人が逃げる)をしていると、おいでが得意になるのはこれが理由です。
また、おもちゃで一緒に遊ぼう!というとき、もっと盛り上げたければ、手に持ったおもちゃを犬の方へ近づけたり、顔の前でひらひらさせるより、おもちゃを犬から遠ざけて、逃げていくように見せた方が、盛り上がります。
獲物は自ら顔の前に出てきませんね。
物陰に潜んでいたり、ちらちら見えたり、そっと逃げ出そうとして急に猛ダッシュで逃げていく・・・というように、動きに緩急があります。
それらをイメージしておもちゃを動かしてあげると、もっと楽しく遊んでくれますよ。
お散歩で道を変えたい時も、犬の近くに行ってリードを引っ張るよりも、リードいっぱい犬から離れて呼んだ方が来てくれやすいです。
その時も、背中を向けて遠ざかるとよりついて行きたくなります。
人が追いかけるのではなく、犬に追いかけるも追いかけないも自由な選択があった上で、犬が追いかけたら楽しかった!嬉しかった!達成感を感じた!というポジティブなものを感じられると、いいですね。
最後に。
犬に追いかけてきてほしいのですが、部屋の中、どこに行くにもついて回るような離れられない不安がある状態での追いかけるは、今回の主旨とは違ってきます。
追いかけて安心できるなら、追いかけさせてあげて大丈夫ですが、同時に安心して自立できるようにも取り組んであげたいです。