近しい人への問題行動〜犬と私705〜
家族の中で1番お世話をしている私にだけ、甘噛みが酷い、言うことを聞いてくれない、反抗的…といったお悩みはよくあります。
可愛がるけれど、ご飯やお散歩、お手入れなど普段のお世話はあまり担当しない家族の方の言うことを聞いていたりしているのを見て、私はなめられているのかしら…と思ったり。
家族にも、甘やかしているからだ!と言われたり。
本当にそうでしょうか?
このようなお悩みの原因はご家庭によってケースバイケースですが、多いのは1番お世話をしているからこそ、犬が懐いていて、自分の素直な気持ちを表現できているケースです。
信頼されているからこそ、遠慮がなかったり、気持ちのままにぶつかってくる。
甘えているからこそできる、体当たりの遊びや反抗的な態度だったりします。
これが、遠慮があったり、どう相手から返されるか分からないので、様子を見ながらの交流ですと、犬のありのまま100%ではぶつかってこれません。
私もレッスンが始まった頃は、飛びついたり、甘噛みすることもなかった子が、レッスンが進み慣れてくると甘噛みするようになったり、飛びついてお出迎えしてくれるようにもなります。
最初は、誰?!と不安なところから、信用して心をを開いてくれたからこその変化です。
もちろん、甘噛みや飛びつきはマナーとして、しないように教えてあげたいことです。
しかし、まだ人との交流のマナーを知らない子にとっては、犬らしく甘噛む、飛びつくは、犬らしいご挨拶だったり遊びだったりするので、叱ることでもありません。
ただ、心を開いてきてくれたんだな、と受け取りつつ、マナーを教えてあげるだけでいいですね。
このように、心許し、甘えているからこその、特定の人への問題行動があります。
私だけ…と落ち込まないで、1番甘えてくれているのね!と思って、それからマナーを教えてあげる方に進んで頂ければと思います。
人だって、気の置けない人には軽口も叩きますが、道ですれ違った怖そうな人には、目すら合わないようにしませんか?
素で接したり、遠慮したり、様子を見たり、気遣いをしたりと、相手を見て行動する社会性の能力。犬もそれを高く持っているのですね。