脅しは使わない~犬と私936~
吠えて困るときに、大きな音やスプレーを使ってびっくりさせるしつけの方法がよく紹介されています。
首輪になっていて、吠えたらぶるぶる振動したり、鼻先に向かってシュッ!とスプレーが出るものも売っていたりします(もちろん、使わないでくださいね)
ある時は、お部屋にお酢を薄めたスプレーを用意して、吠えたらシュッ!と。家じゅうがお酢の匂いで大変なご家庭もありました。
またある時は、水鉄砲を何個も用意されていて、吠えたら近くにある水鉄砲ですかさず狙い撃ち。お部屋も犬もびしょびしょです。
またまたある時は、金属の灰皿を何個も用意されていて、吠えたら犬の近くに向かってガシャン!ガシャン!投げます。
どれもその瞬間は吠えやみます。犬もびっくりしますからね。
吠えたらびっくりすることが起こるので、嫌だから吠えないでおこう・・・そうなってくれることを願ってのしつけ方法だと思いますが、その通りになったとしてもあまり良い方法とは言えません。
なぜなら犬が吠えた理由を考えられていないからです。
もし、不安で吠えていたのなら?
不安な気持ちは残ったまま押し黙る形になっていますし、びっくりするのは心臓がドキドキして嫌な経験になるでしょうから、元々不安な状況をさらに悪い印象にしてしまいやすいです。
また、びっくりさせる(嫌な目に合わせる)方法が効果的で、ぴたりと吠えなくなると、人にとって強い報酬となりどんどんその方法を使うようになってしまいます。
そして脅しに発展するのです・・・
吠えそうになったら、大きな音が鳴るものをチラつかせる、スプレーボトルを見せるなど、吠えたらどうなるか分かってるよね?という圧をかけてしまうのです。
もちろん、音やスプレーが嫌なワンちゃんは、そこで吠えるのを止めます。
そうするとまた人は効果がある!となって、どんどんその脅しを使ってしまうのです。
この関係性、人と人であれば良くないのが分かるはずです。
言うことを聞かないのなら・・・チラッ(ナイフ?!銃?!)
叱ったり、罰さなくても止めることはできますね。
なんでも許して自由にさせるのともまた違います。
吠えることだけでなく、その他の日常生活、犬と人の関係性から改めて見直していく必要があります。
待ってね、こっちにおいで。
それがいつでも通じれば、多くのお困りごとは解決できます。
人の声が届かない。聞く耳を持ってくれないのが困るわけです。
手っ取り早く思える叱る(脅す)方法は、長い目で見れば関係や問題を悪くします。
一つ一つ問題を、暮らしを紐解いて、落ち着いた暮らしになるように・・・
お家の様子を見てもらえるトレーナーさんにも相談してみてくださいね。