こんにちは!
みなさんが、しつけやトレーニングをするのはなぜですか?
- 今ある困った問題を解決するため?
- 人間社会で生きていくのに必要なマナーを教えるため?
- 大型犬なので力が強くて大変になりそうだから?
- なんとなく、した方が良さそうだから?
しつけやトレーニングは、現在の問題解決や近い将来に備えて行うものだという認識があるかもしれませんが、実はもっと遥か先までを見据えた取り組みでもあると言えます。
今回はしつけに取り組む意義について考えてみたいと思います。
いま困っていなければそれでいいのでしょうか?
現在、困っていないので特にしつけは必要ないと思われますか?
では下記のようなことは大丈夫でしょうか?
- 愛犬が苦手としているものはありませんか?
- 吠えや唸り、咬みつきなど、頻度が増えてくると大きな問題に繋がりそうな行動はありませんか?
- 愛犬の性格が怖がり、繊細、内弁慶だと感じていませんか?
これらの中であてはまるものがある場合は、取り組んでおいた方が良い事があります。
苦手としていることはありませんか?
身体に触られること、抱っこ、お手入れや獣医さんで診察、お留守番、お散歩など日常生活に必要なことで、愛犬が苦手と感じていそうなことがある場合は、それを克服するトレーニングをしてあげたいですね。そうすることで、十分な健康管理ができるようになり、わんこさん自身も避けられない出来事に余計なストレスを感じずに済みます。
大きな問題に繋がりそうな行動はありませんか?
吠えても、短時間で頻度も少なければ大きな問題になりませんね。しかし、長時間吠え続ける、頻繁に吠える、夜中に吠える、飼い主さんの制止がきかないとなればどうでしょうか?密集した住宅地に住んでいる場合は、ご近所さんとのトラブルにも繋がりかねません。
唸ったり、咬んだりするのも頻繁になったり、咬みつき方が強くなってくると、怪我をしたり咬まれた飼い主さんが怖くなってしまい、日常生活を送ることも辛くなってしまうかもしれません。同様に、それほど唸ったり咬んだりせざるを得ないほどに追い詰められているわんこさんも辛い状況にあると言えます。
怖がり、繊細、内弁慶と感じていますか?
このように評されるわんこさんは、物音に敏感に反応したり、お散歩中に出会うものが怖かったり、家ではやんちゃでも動物病院では震えて固まったりすることがあるようです。怖がりな性格だから仕方ない、で終わらさずに少しでも恐怖や不安が和らぐための取り組みをしてあげてほしいと思います。
怖いこと、不安に感じることが多い世界で生きるのはきっとしんどいですよね。飼い主さんの取り組みで、怖さや不安が軽減する、いずれは克服できることも出てくるかもしれません。
遥か先までを見据えた取り組み
あるわんこさんが身体に触られることや抱っこが苦手でした。飼い主のお母さんは、しつけに取り組んで抱っこも嫌がらずにさせてくれるようになりました。しかし、しつけに取り組まなかったお父さんは今も抱っこをしようとすると逃げられてしまいます。
このような時、もうお母さんは抱っこができるようになっていて日常生活では困っていませんし、そんなに嫌がるならお父さんはもう抱っこをしないようにすれば済むのでは?という話題になりました。
これを聞いてみなさんどう思われますか?
確かに、日常生活では困っていません。でも私は、お父さんにもできれば嫌がらずに抱っこさせてくれるようになるまで、スモールステップで取り組んで頂きたいと思っています。
理由は、お母さんがお世話できなくなったとしたら?家族であるお父さんがお世話をすることになるからです。もっと想像を膨らませてみると、抱っこをするのはお母さんだけでなく、動物病院で看護士さん、トリミングサロンでトリマーさんも抱っこをする機会がありますね。
もしもの災害で、避難生活になったら、お世話をしてくれる人が抱っこをする機会があるでしょうし、万が一、新しい里親さんのところに行くことになったら・・・触られること、抱っこが苦手より、平気なわんこさんの方が里親さんが見つかりやすく、何よりわんこさんの負担も少ないのではないでしょうか?
ここまでの想像は究極の話かもしれません。でも可能性は0ではないですよね。
万が一、自分が育てられなくなっても新しい飼い主さんの元で幸せに生きていけるように
こんな風にしつけをする意義を言われていた方がおられました。
そこまで考えて日々取り組まれるのは、とても深い愛情であると思ったものです。
もちろん最後まで責任をもって飼うことが大切ですが、いつどうなるか誰も分からないのも現実です。
完璧を目指すのが良いのではなく、1年後に振りかえったときに成長できたねって思えるような取り組み。
焦らず腐らず、でもあきらめずにコツコツと。
そうやって取り組んできて花開いたわんこさんをたくさん知っています。
彼らと自分自身の成長を信じて、取り組んでいきたいものですね。