犬と私 89 老いと向き合う
実家には22歳のおばあちゃん猫がいます。
20歳を超えてからぐっと老いが進んでしまい、太りすぎの若い頃があったのが嘘のように痩せてしまいました。
毛づくろいも爪とぎも全くしなくなり、耳も遠くて、こちらになかなか気がつきません。
体調が悪い時は足にもくるようで、そんな時はフラフラ足元がおぼつきません。
トイレにも入るのが難しいのか、外でしている時も。
登れていた場所に上がれなくなり、上がれても下りるのに躊躇し、滑り落ちてしまったり。
その時、その時の様子を見ながら、段差を低くするなど対策をしてきましたが、いよいよ今度はオムツを考える時期になってしまったようです。
昨日の夜のこと、トイレに入ったぽっちゃんがなかなか出てこなくて、長く砂をかいている音がしたそうです。
あまりにも長いので、どうしたのかと覗いたら、なんとトイレの中でひっくり返って横になり、立ち上がれなくなっていたそうです。
この話を聞いて、その時の光景が目に浮かび、とても切なく涙が出そうになりました。
今回は気がついたから良いものの、長時間そんなことになっていたらと思うと、ゾッとします。
転んでも起き上がりやすいように、これまでの猫トイレから、犬用のトイレトレーに変えて様子を見つつ、オムツも用意しようと家族で話しました。
若い頃からあまりベタベタ甘えるタイプでなかったのに、この頃は母が部屋に行くとすぐに膝の上に乗ってきて、ずっと寝ているようです。
老いて耳が遠くなり、目も見えにくくなり、不安や寂しさを感じやすくなっているのでは…と見ていて思います。
このような変化はシニアになったワンちゃんの飼い主さんからも時々お聞きします。
そばにいる事で少しでも安心を与えることができるのなら、なるべく一緒に過ごしたいですね。
そして不安なとき、求められるような飼い主でもありたいと思います。
それまでの温かな暮らし、優しい付き合い方の積み重ねが、いざという時に「この人のそばが良い」と思ってもらえることに繋がると信じて、
これからも飼い主さんには犬にやさしく、親切、丁寧に接する方法をお伝えしたいと思います。