育った環境は大事~犬と私817~
犬の問題行動に影響しているのは、学習はもちろんですが、性格と育った環境も大きいです。
うちのラブラドールの昔話ですが、訓練所で生まれ育ち、私が家に連れて帰るまで一般的な家庭での暮らしをしたことがありませんでした。
この子はベッドやマットと言った寝床の敷物を入れてあげることができなくて、頭を悩ませました。
なぜなら、どんな素材のものを入れてもすぐに噛んで破ってしまうからです。
身体に優しく、寝心地も良いだろうとふかふかのマットを入れても、10分とせずに部屋が綿だらけです。
綿が入っているベッド、クッション、座布団がダメなら、マットはどうだ?と思って入れてみても見事にバラバラです。
最終的に落ち着いたのは、バスタオルを何重にも重ねて縫い合わせたものです。
これは、わりと長持ちしました。
なぜ、これほどに、シニアになっても敷物が敷けないのか?考えてみましたが、思い至ったのは育った環境です。家庭で生まれ育っていないので、その時の寝床は板やすのこでした。
遊ぶといっても、トレーニングの時にもらえるテニスボールくらいです。
ぬいぐるみやロープといった、子犬の時によく遊ぶおもちゃも、ふかふかのベッドも経験しないまま成犬になり何年もその世界で生きてきたのです。
もちろん、同じような環境で育っていても敷物を噛まないワンちゃんもいます。
しかし、うちの子の場合はこの育った環境の影響が強いだろうなと思ってみていました。
他にも、子犬の時に大きくなり過ぎないように、と十分なご飯をもらえないで育っているケースがあります。
その場合、成長して十分にご飯をもらえる環境になったとしても、特別に食べ物に執着が強かったり、食べられない物まで食べてしまう(飲み込んでしまう)問題が起こることがあります。
育ってきた環境での学習、思いは、長く残ってしまうこともあるのですね。
子犬の時にハウスに閉じ込めて飼ってしまうことも、経験不足、刺激不足から成長も促されにくい環境になっていることがあります。
育てる環境は、その後に続く犬生にも大きく影響していきますから、充実させてあげることが大切ですね。